Kyushu University Medical Library: Collection of Old Medical Books
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ロジェー・デ・ピール
Roger de Piles (1676-1681)


  • Roger de Piles: Abrege d'anatomie accommode aux arts de peinture et des sculpture. Paris: J.B. Crepy, 1760.
    医学分館貴重図書コレクション:QS/P 638/1760/貴重


  •   死体解剖と芸術

    医学書の挿し絵にも筋肉はほとんど見られない。ルネサンス期にギリシア・ローマの古典が再評価され、人物の(裸)体がようやく芸術家や学者の視界に入るようになる。レオナルド・ダ・ヴィンチもその先駆者に数えられる。

    1490年代から、レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci、1452-1519)がミラノ及びフィレンツェで人体の解剖を行い、身体の新しい描写法を生み出した。この詳細で写実的で美しい解剖図は、美術と学問を融合するルネサンス精神の典型となった。

    16世紀から18世紀にかけての解剖書はその多くが、医学と芸術の出会いの場となった。才能豊かな画家がいなければヴェザリウスの書もその価値は半減しただろう。また16世紀の木版画も学問に用いられることでその絶頂期に達した。古典の表現方法は「新解剖学」の挿し絵に大きな影響を及ぼした。ルネサンス以来芸術家は彼らなりに解剖学を熱心に学び、身体をより正確に力強く表現しようとした。
    ヴェザリウスのモチーフを利用した美術教科書
    Abrege ド・ピール『彫刻および絵画のための解剖学の概要』パリ、1760年. 180 x 250mm





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