ときめき佐賀ニュース

 [2004.10.24]
「買いもの帳」背景解説
武雄領主・鍋島茂義にスポット(武雄市)
ヴォルフガング・ミヒェル教授
当時の国際情勢と日本のかかわりを解説するヴォルフガング・ミヒェル教授=武雄市文化会館
 蘭学の導入に力を入れた幕末の佐賀藩武雄領主鍋島茂義(1800-1862)にスポットを当てる「蘭学の来た道」シンポジウムが23日、武雄市文化会館で開かれた。
 茂義が残した買いもの帳「長崎方控」などを研究している日本洋学史学会長で九州大大学院のヴォルフガング・ミヒェル教授ら5人が、財力を上回る品々を買いつけた理由や当時の世界情勢などを解説した。
 冒頭、同市図書館・歴史資料館学芸員川副義敦さんが、25年間に渡って記された品が数万点に及ぶと紹介。
 また、財力以上の高価な蘭書や時計を大量に購入できた理由について、大分大の鳥井裕美子教授は長崎の地役人たちとのかかわりに着目。「地役人は輸入品を 原価に近い値で購入する特権を持っていた。彼らを通じて安く買い入れた上で、転売して利ざやを稼いだり、模造品を作って販売していた」と述べた。
 京都大大学院の松田清教授は当時、科学技術などの最新論文をまとめた『商工業雑誌』を取り上げ、「電信機や写真術について記されている。これが茂義のタネ本だった」と断定した。

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