ヴォルフガング・ミヒェル

Japans Rolle in der fruehen Vermittlung der Akupunktur nach Europa


(鍼術の西洋への初期伝達における日本の役割) Deutsche Zeitschrift fuer Akupunktur, Vol. 36, Heft 2 (Heidelberg,1993), pp. 40 - 46 (英語及びフランス語の要約付き)

東西文化交流史における鍼術の伝達を追究する研究者のほとんどには中国の役割を過剰評価する傾向が見られるが、本論は、16、17世紀頃はむしろ日本が最も重要な情報源となり、多大の貢献をしたことを論証する論文である。イェズス会士を初めとして出島蘭館医テン・ライネ、ケンペルに至るまで多くのヨーロッパ人は、日本で入手した資料及び観察に基づいて鍼術を紹介している。また、中国医学に対して日本の医師が独自の立場を打ち出し、天正、慶長時代の御園無分が考え出した打鍼法、腹診法及び杉山和一が開発した管鍼など中国にはなかったような病理学や治療法までもヨーロッパにおいては、「中国医学」として受容され、そのイメージは今日に至るまで正しく認識されていない。最後に当時の西洋人による観察や解釈における幾つかの問題を論じている。

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