W・ミヒェル「17世紀の日蘭交流における医薬学と植物学について」日蘭学会、東京 、京都、2007年9月21日。
W. Michel: Medicine, Pharmacology and Botany in 17-Century Euro-Japanese Intercourse. Japan-Netherlands Institute, Tokyo, 21 Sep 2007.   [invited presentation, in Japanese]

ヴォルフガング・ミヒェル

「17世紀の日蘭交流における医薬学と植物学について」


蘭学の台頭について述べる研究者のほとんどは、八代将軍吉宗の薬草政策、洋書輸入解禁、蘭語学の促進に辿り着くが、『蘭学事始』などの影響のためか、一般に17世紀の動きは過小評価されがちである。しかし、日欧双方の資料を追究してみると、1639年以降いわゆる「鎖国体制」を築き上げていく幕府は、オランダ東インド会社との交易体制を手探りしながら、兵学、医学、薬学などの有用な知識と器物の受容を進めていたことが判明する。演者は紅毛流外科の誕生、医薬品輸入への動き、出島商館における専門教育、通詞の苦悩と貢献、製薬技術の移転、日本独自の植物学の始まり、漢学の役割などを紹介し、日本の近代化における同世紀の重要性を強調している。

 

 

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