欧日交流史

HISTORY OF EURO-JAPANESE CULTURAL RELATIONS


１４７７ マルコ・ポーロ独語訳（ニュルンベルク）刊行
１５１０ ゴア、ポルトガル領になる
１５４３ ポルトガル人、種子島に漂着
１５４９ スペインのイエズス会宣教師フランシスコ・ザビエル、鹿児島に来航
１５５０ ザビエル、山口で布教を開始
１５５７ ポルトガル人、マカオに定住する。
Luis d’Almeida (ca.1525-1583)が自ら院長となり、私財５０００クルサードを投じて府内病院を建設。
１５５９ イエズス会に入会した外科医アルメイダ、豊後府内に病院を建てる。ビレラ神父、京都で布教を開始。
１５６０ 室町幕府、ビレラに布教を許可
１５６２ 大村純忠、ポルトガルに貿易を許可
１５６５ 三好義継、ビレラとフロイスを京都から追放
１５６８ 織田信長、ルイス・フロイス神父（Luis Frois, 1532-1597）の京都居住を許す
１５７８ ヤン・ヴァン・ホイヘン・リンショーテン (Huygen Linschoten, 1563-1611) の著作、ロンドンにて英訳，出版
１５７９ オルガンチノ、安土に教会を建設。
１５８１ ヴァリニャーノ（Alessandro Valignano, 1539-1606）、小田信長に謁見
１５８２ 天正遣欧使節が出発。
１５８３ Jan Huygen van Linschoten: Itinerarium ofte Schipvaert naer Oost ofte Portugaels Indien. Amstelredam, 1583.
１５８４ ポルトガル船が平戸に来航
１５８５ 宣教師フロイスの「日欧文化の比較」(1585）によれば、日本人は尿診断や瀉血、浣腸、焼灼など、ヨーロッパで不可欠とされている伝統的治療を受け入れたがらない。
１５８６ ポルトガル人イエズス会士カスパル・コエリヨ（Gasparo Coeglio=Caspar Coelho, 1531-90） による著書の独語版刊行："Juengste Zeytung ausz der weltberuehmbten Insel Jappon [...] gedruckt in Dillingen 1586.
１５８６ ルツェルンの文書官レンワルト・ツィサト（Renward Cysat）、イエズス会文書の編集出版：Wahrhafftiger Bericht Von den Newerfundnen Japponischen Inseln vnd Koenigreichen [...] Durch Renvvardum Cysatum Burgern zu Lucern auss dem Italienischen in das Teutsch gebracht [...] Getruckt zu Freyburg in der Eydgenoschafft [...] 1586.
１５８７ 豊臣秀吉、パテレン追放令を布告。
島津義久の軍が府内を陥れたときに、府内病院は兵火により焼失したものとみられる。
１５８９ 府内の病院は１５８７年に破壊されてしまい、次第に強まるキリシタン弾圧により、東西医学の共生を窺わせる府内病院の試みは短期間で終わってしまった。コエリヨ神父が修道会長宛の書簡のなかで、「医師がいなくて、薬もなく、瀉血の方法を誰も知らない、迫害の労苦から修道会士がもう３人も病死してしまった」と嘆いている。
１５９１ ヴァリニャーノ、インド総督の書を秀吉に呈する。この頃よりイエズス会の印刷機で書籍が盛んに刊行される。
１５９６ サン・フェリペ号、土佐に漂着。キリシタン２６名を処刑
１５９８ Racuyoxu. In Collegio Japonico Sociatatis Jesv, Cum facultate superiorum. 1598.
１５９８ Iesvs. Cartas que os Padres E Irmaos da Companhia de Jesus escreuerao dos Reynos de Iapao & China [...] desdo anno de 1549 at* o de 1580. [...] Em Euora por Manoel de Lyra. Anno de M.D. XCVIII.
１６００ ４月１９日，オランダ船デ・リーフデ号、豊後に漂着（ウィリアム・アダムス＝三浦按針，1564-1620）
１６００ オランダ船リーフデ号豊後に漂着，イギリス人ウィリアム・アダムズ（三浦按針），オランダ人ヤン・ヨーステンら上陸
１６０１ Historia De Las Islas Del Archipelago, Y Reynos De La Gran China, Tartaria, Cvchinchina, Malaca, Sian, Camboxa Y Iappon [...] Compvesta Por Fray Marcello Deribadeneyra compan~ero de los seys frayles hijos de la misma Prouincia Martyres gloriosissimos de Iappon [...] En Barcelona [...] Ao M.DCI.
１６０２ 連合オランダ東インド会社は，1602年3月20日に「連邦議会」から21年を期限として賦与された「特許状」(Staten-Generaal Octrooi) に基づき設立された.（VOC: Verenigde Oostindische Compagnie, 1602-1798) ）
１６０２～１５ イエズス会士マテオ・リッチ（Matteo Ricci, 1552-1610）の書、日本に伝えられる。徳川の地理学者にとって最も重要な地理学の書となる。
１６０３ Vocabulario da Lingoa de Iapam. Nagasaki 1603/04.（日葡辞典）
１６０４ 糸割符制度を創設
１６０４／０８ 語学の秀才ロドリゲス神父、『日葡辞典』を発表。Joao Rodriguez: Arte da lingoa de Japan.
１６０５ 宣教師の書簡集が出版され、後代に大きな影響を与えることになる：J. Hayus [John Hay]: De Rebus Japonicis, Indicis, Peruanis Epistolae recentiores. Antwerpen 1605.
１６０８ Rodriguez, Joao (Tçuzzu), S. J.: Arte Da Lingoa De Iapam,Nagasaki 1604.
１６０９ オランダ人に通商許可。平戸にオランダ商館開設。正式の日蘭通商始まる。
１６１０ Emanuell Baretto (1564-1620): Floscvli ex Veteris ac novi Testamenti.イタリア人カルロ・スピノラ（Carlo Spinola, 1564-1622）、京都にアカデミー設立。１０人を優に超える同僚と天文学を教える。
１６１２ 幕府、直轄領に禁教令を布告
１６１３ イギリス商館の設置。
ウィリアム・アダムスの指導のもと建造された日本船、太平洋を横断（１６１３年１０月～１６１４年１月）。
慶長使節ローマに到着。
１６１４ 宣教師高山右近らが海外に追放される
１６１４～２０ この頃にミヒャエル・ホーエンライター（Michael Hohreiter 1591～1613）来日す。名前が確認されたドイツ人として最初の日本旅行者。（ウルム市立図書館のカードNr.5736/5737） 兄のハンス、１６２４年１月２２日，旅行記の出版をウルムの教区教会局に願い出るが、１月２９に却下される。（Stadtarchiv Ulm: Der Herrn Bawpfleger Protocoll [...] A.D. 1622, folio 127, 129）1622年、ホーエンライター、ウルムの市民権を失う。のちに、Vlissingenの住人と結婚するが，その後の行方は不明。
１６１６ 中国船以外の外国船の来航は平戸と長崎に制限される。
平戸商館長ら、徳川秀忠に会見。
１６１７ Scipione Amati: Historia del Regno di Voxv del Giapone ... (=1613).
Relation vnnd gruendtlicher Bericht von desz Koenigreichs Voxv in Japonischen Keyserthumb [...] zu Teutsch verwendet durch R.P.F. Thobiam Hendschelium, Anno MDCXVII, gedruckt zu Ingolstadt. B. de Avila Giron: Relacion del Reine de Nippon.（非常に詳細！著者は1594年から1614まで日本に滞在していた。）
１６１９ 山本玄仙が史上初の南蛮流外科書とされている『万外集要』を完成（元和５年序）。
１６２２ 長崎で宣教師及び信徒が処刑される。
１６２３ 平戸イギリス商館、財政難のため閉鎖される。
１６２４ 幕府、イスパニア船の来航を禁止。スペインとの関係断絶。
１６２５ オーストリア人クリストフ・カール・フェルンベルク・フォン・エーゲンベルク（Carl Fernberg von Egenberg, 1596-1600の間に生まれる）、旅の途上、１６２５年３月２９日思いがけずも平戸に到着。信仰のため江戸参府には同行できず，約２週間の滞在後，４月１４日にポルトガル船で日本を離れる。（再版 Wernhart, Karl R.: Christoph Carl Fernberger der erste österreichische Weltreisende (1621 - 1628. Wien : Europ. Verlag, 1972.）
１６２８ 幕府、オランダ商館の貿易活動を禁止
１６３０ 幕府、キリシタン書籍の輸入を禁止
１６３１ 平戸商館日記の記録開始。奉書船制度始まる。
１６３２ オランダ東インド会社との通商を再開。
Dictionarium sive Thesauri Linguae Iaponicae compendium Romae, 1632. Additiones Ad Dictionarium Iaponicum Auctore Fr. Didaco Collado Orginis Praedicatorium. Romae 1632. （宣教師Colladoは1619年から1625年まで主として九州で活躍した。）
１６３３～３７ カール・ハルツィング（Karl Hartzing, *１６１１Moers）、VOCに奉職中、日本に２度滞在。短い中断を挟む1633年から37年までと，1641年に出島に滞在した。
１６３３ 幕府、奉書船以外の海外渡航を禁止。オランダ商館長の江戸参府が始まる。
１６３４ 幕府、日本船の海外渡航及び帰国を全面禁止。
１６３６ 貿易に関係のない南蛮人を追放。長崎出島が完成。
１６３７～３８ 島原の乱
１６３８ イエズス会士による最初の「日本の」演劇、ドイツ南部で上演される：Christianomichia Japonensis。１８３５年までに合計３９本の稿本が書かれている。
１６３８／３９ 砲の鋳造師ハンス・ヴォルフガング・ブラウン（Hans Wolfgang Braun , *1609，Ulm）来日。商館長カロンの要請に応じ砲を３門鋳造。そのうちの１門を江戸に運び試砲に成功す。この砲は今世紀初めまで靖国神社に保管されていた。
１６３９ オランダ商館長フランソワ・カロンは大目付井上政重筑後守と酒井忠勝などの老中たちから要請を受け、ポルトガル人に代わり十分な量の生糸、絹、医薬品などを供給すると約束した。NA, NFJ, Dagregister 20.7.1639, 22.7.1639, 27.7.1639.
１６３９ ポルトガル船の来航禁止。
１６４１ オランダ商館を長崎出島に移す。
１６４６ 日本に関する様々な問いに、当時の平戸商館長カロン答える。その問答集は，正式の認可を得ないまま初めて出版される：Beschrijvinghe van het machtigh Coninckryck Japan, gestelt door Francoys Caron, Directeur der Compagnies Negotie aldaer, ende met eenige Aanteekeningen vermeerdert door Hendrick Wagenaer. - Begin en de Voortgang van de Vereenigde Neederlandsche Geoctoyeerde Oost-Indische Compagnie, 1646.
ユルゲン・アンデルセン（Juergen Andersen, *1620 Tondern, Schleswig, †1679 ? Kropp）、１６４６年９月９日から１８日まで９日間、長崎にて過ごす。１６６９年、その著書出版さる：Orientalische Reisebeschreibung Juergen Andersen aus Schleswig der An. Christi 1644. aussgezogen und 1650. wieder kommen. Und Volquard Iversen aus Holstein so An. 1655 außgezogen und 1668 wieder angelanget. [...] Schleßwig In der Fuerstl. Drukerey gedruckt durch Johan Holwein Fuerstl. bestalten Buchdrucker und Formschneider. Im Jahr 1669.
Gysbertsz: Historie der Martelaeren, die in Japan om de Roomsche Catolycke Religie, Schrickelycke, ende onverdragelycke Pynen geleeden hebben, ofte ghedoodt syn. - Begin ende Voortgang van de Vereenigde Neederlandtsche Geoctroyeerde Oost-Indische Compagnie, 1646.
１６４８ Caron, Francois: Beschrijvinghe Van het Machtigh Coninckrijcke Japan, Vervattende den aert en eygenschappen van't Landt, manieren der Volckeren, ale mede hart grouwelijcke wreedtheydt teghen de Roomsche Christenen, gesteldt Door Francois Caron. T'Amsterdam [...] 1648. その後も新たな組み合わせで翻訳、出版された（１６３３年と１６７２年も参照)。
１６４９～５１ ライプチヒ出身の外科医カスパル・シャムベルゲル、出島に到着。特使フリジウスの供として江戸へ旅立つ。フリジウス帰国後も彼は、幕府の要請により３人のヨーロッパ人（Jurian Schedel, Willem Bijlevelt, Jan Smit）と共に江戸に残る。カスパルは医学、スヘーデルは砲術、パイレフェルトは数学を教える。その１０ヶ月間、江戸滞在中に大目付の井上と親交を結び、高官多数の治療にあたる。その通詞猪股は、井上の指示によりシャムベルゲルの治療について報告書を書く。これにより、シャムベルゲルは紅毛流外科術の元祖となる。
１６４９ 系統立った最初の地理書：Descriptio Regni Japoniae Cum quibusdam affinis materiae. Ex variis avctoribus collecta et in ordinem redacta per Bernhardvm Varenivm M.D. Amstelodami Apud Ludovicum Elzevirium. Anno M.DC.XLIX.（１９７４年にSchwindとHammitzschが新たに注釈している）。
１６５０ カスパル・シュマルカルデン（Caspar Schmalkalden, *1632）Friedrichrodaで市長の息子として生まれる。1675年以前にGothaにて没）はVOCに奉職中（1642年より，1645年に短期間の帰郷），１６５０年６月２２日に長崎到着。(おそらく短期間の滞在と推定される。)
１６５１ 外科医で理髪師のヨハン・ヤコプ・メルクライン，１６４４年から１６５３年までVOCに勤務。１６５１年１１月１日，長崎に数ヶ月滞在の予定で来日する。Wahrhaftige Beschreibung zweyer maechtigen Koenigreiche Japan und Siamの独語版の冒頭は「Joh. Jc. Merckleins von Winsheim der Ost=Indianischen Compagnie vom Jahre 1644 an bis auf das 1653. Jahre gewesnen Chirurgi, Journal, oder taegliche Reisebschreibung」. Nuernberg In Verlegung Michael und Joh. Friederich Endters. Im Jahre 1663.
１６５２ オランダ東インド会社による専門書納入の始まり：Dodonaeus: Cruydboek; Piso: Historia Naturalis （送り状、11.7.1652 ）。Dodonaeus: Cruydboek; Vesalius: Fabrica （送り状、7.7.1655 ）。Dodonaeus: Cruydboek; （商館日誌、7.4.1659ff. ）
オランダ人グラーゼンマケル、ピント著の書をオランダ語で刊行する：Glazenmaker, J. H.: De wonderlijke Reizen van Fernando Mendes Pinto, die hij in de Tijt van 21 jaren in Europa, Asia en Afrika gedaan heeft, daar hij in dertien malen gevangen heeft geweest en zeventien malen verkocht is, door J. H. Glazenmaker vertaalt. Amsterdam 1652.
１６５５ 大目付井上政重筑後守の指示により、儒学者向井元升（玄松）、出島にて数ヶ月間、ドイツ人外科医ハンス・ユーリアン・ハンケ（Hans Jurian Hancke）の指導を受ける。これをもとにオランダ流外科についての報告書がまとめられる。この書にハンコと商館長ヴァグナーが署名し、１６５７年春、江戸へ持参する。
中国の宣教師マルティノ・マルティーニの地図書出版される。日本の地図が大きな影響を与える：Novus Atlas sinensi, a Martino Martinio S.I. descriptus. Amsterdam 1655.
１６５６ ドレスデン出身ツァハリアス・ヴァグナー（Zacharias Wagener/Wagenaer）、１６５６年１１月１日から１６５７年１０月２７日まで平戸の館長として在任。ゲオルク・マイスターによれば，彼は江戸参府中，その振る舞いが目立ち、日本人には「雷男」の名で呼ばれていた。ヴァーグナーは１６５８年１０月２２日から１６５９年１１月４日まで再度商館長を務める。
ヴァグナーとハンケは明暦の大火を生き延びた目撃者でもあった。ヴァグナーの報告書はモンタヌスによってヨーロッパに伝えられ、そのスケッチの１枚が今日、江戸東京博物館に所蔵されている。
楢林時敏、出島商館で初めてオランダ語を学ぶ。
１６５８ 出島蘭館医が弟子に交付する免許状に関する記述が１６５８年以降２７年間にわたって商館日誌に見られる。１６６６年 平田長太夫　（享保２年の写し）、１６６７年 瀬尾昌琢、１６６８年 嵐山甫安、１６６８年 太田黒玄淡、１６６８年 西吉兵衛(玄甫）、１６８５年 原三信.
Mandelslo, Johan Albrecht: Des Hoch Edelgebornen Johan Albrechts von Mandelslo Morgenlaendische Reyse=Beschreibung. [...] Herausgegeben Durch Adam Olearium. [...] Christian Guth, Hamburg,1658. アダム・オレアリウスはゴットルフ朝廷の司書で，ここでは特にシュレースヴィヒ出身のユルゲン・アンデルセンによる日本報告の第１稿に付言している。
１６６１ 嵐山甫安、出島商館医に蘭方外科を学ぶ。
１６６３ Fr.Carons, und Jod. Schoutens Wahrhaftige Beschreibungen zweyer maechtigen Koenigreiche Japan und Siam. [...] Denen noch beygefueget Johann Jacob Merckleins Ost-Indianische Reise welche er im Jahr 1644 loeblich angenommen und im Jahr 1653 gluecklich vollendet. [...] Nuernberg, Michael und Joh. Friederich Endters,1663. 薬剤師メルクライン、船床屋として１６５１年夏，長崎に滞在。その記録を残している。
高価な蘭方医薬品の輸入による経済的負担は大きかった。その圧迫感をさらに助長する国内の一連の事情があった。
寛文３年 江戸と京都の女の衣服価格の上限が設定される。
寛文６年 江戸での私座并独占売買禁止
寛文６年 大坂の大火
寛文８年 江戸大火
寛文８年 輸出入禁制品目
寛文８年 銀輪出禁止
１６６４ 幕府、東インド会社に金貨の輸出を許可
１６６６ 中村[テキ]斎（１６２９～１７０２）『訓蒙図彙』京都，１６６６、１６６８年（復刻版，東京，1976年）。１４巻から２０巻中には動植物の図が含まれており，ケンペルは『廻国奇観』や『日本誌』にその多くを引用している。
１６６７ 出島商館長日記によると、１６６７年１１月６日、長崎奉行松平甚三郎と河野権右衛門を通じて出島商館長ランストとその後継者シックスに対し、「皇帝と帝国顧問官は、植物学と薬油蒸留に詳しい人物が日本へ派遣されることを望んでいる」との要請が伝えられ、また、蒸留に必要な装置一式と「オランダの植物の種」と生きた薬用植物が注文された。（家綱時代の「薬ﾖ草政策」の始まり）。
スウェーデンの軍人 オロフ・エリクソン・ウィルマン（Olof Erickson Willman）、１６５２年に日本に滞在す。ドイツ人外科医ヴンシュと共に参府旅行に同行する。Een kort Beskriffning uppå trenne Resor och Peregrinationer / sampt Konungarijket Japan [...] giordh och beskrefwen aff Olof Erickson Willman / Kongl: May:tz Skeps Capitein. [...] Wisingsborg 1667.
１６６９ １６６９年、東インド会社は薬剤師ヘック（Gottfried Haeck）を派遣。数回に亘って長崎周辺で行われた薬草狩りでは、ヘックは約５０種類の有用植物を判定。
日蘭貿易を調整する幕府は１６６９年に不要品の輸入を規制し、商館長に品目のリストを渡した(出島商館日誌、１６６９年７月１９日)。摩擦の原因になりかねない違反を避けるため、バタビア総督府が１６７０年４月１８日に出した告令の内容は、出島商館日誌の記述より遙かに詳細なものである。輸入禁止品目の中には医療器械や強精剤だったカンタリデスなどの医薬品が含まれていた。
グリンメルスハウゼン（Grimmelshausen）の，３０年戦争に関する小説シンプリツィシムス・シンプリツィウス（Simplicissimus Simplicius）中で、日本の資料が用いられる。
Gedenkwaerdige Gesantschappen der Oost-Indische Maetschappy in't Vereenigde Nederland, aan de Kaisaren van Japan [...] / Getrokken uit de Geschriften en Reis-aanteikeningen derzvelve Gesanten, door Arnoldus Montanus. Amsterdam, Meurs, 1669. (456 頁）。モンタヌスはガンの出身で，この本のためにVOCの資料を多く用いている。ドイツ語版（1669 ）、英語版（1670 ）、フランス語版（1680 ）、日本語版（1925 ）
１６７１ ドイツ人薬剤師ブラウン（Franz Braun）が来日（蒸留装置の設置。蒸留技術の教授。納品された種や苗に関する説明。薬品リストや書籍に関する説明）。 ドイツ語版の刊行：Mendez Pintos Wunderliche und Merckwuerdige Reisen, Amsterdam 1671.
１６７２ ニュルンベルク出身のギムナジウム教師クリストフ・アーノルト、東アジアについての資料を収集す。また帰郷者と接触し、論文集に筆を加えて出版：Arnold, Christoph: Beschreibungen, Wahrhaftige dreyer maechtigen Koenigreiche Japan, Siam und Corea. Nuernberg / In Verlegung Michael und Joh. Friedrich Endters. Im Jahre M.D.C.LXXII.
この書には興味深い資料が多く含まれている。
１６７３～７４ シレジア出身のハインリヒ・ムヘ（Heinrich Muche），出島で１年以上VOCの上級下士官を務める。 その１３年にわたって綴った旅日記は，かつてブレスラウ市立図書館に所蔵されていたが，現在は行方がわからない。
１６７４ オランダ人医師ヴィレム・テン・ライネ（Willem ten Rhijne）、長崎に到着。西洋医療や医薬品に関する説明。患者の治療。薬草調査。日本の鍼術ともぐさに強い関心をよせる。
１６７５ Buschof: Het Podagra, Nader als oyt nagevorst en uytgevonden, Midsgaders Des selfs sekere Genesingh of ontlastend Hulp-Mittel. Door Hermanus Busschof de Oude van Utrecht, Predikant op Batavia in Oost-Indien. 't Amsterdam, By Jacobus de Jonge, 1675.
１６７７ Jacobi Breynii Gedanensis Exoticarum aliarumque Minus Cognitarum Plantarum Centuria Prima, cum Figuris Aeneis summo studio elaboratis. Gedani. Typis, sumptibus & in ædibus Autoris, Imprimebat David-Fridericus Rhetius. Anno M.DC.LXXIV.
１６８１ 遠藤元理『本草辨疑』天和元(1681)年刊。
ヘイサラバサラ　(pedra bezoar、羊などの胆石･腸結石)。ミイラ　(mirra=mumia!、[没薬, Commiphira myrrha]）。ウンカウル　 (unicornus、一角)。ヲランダサウ　 (Adiantum Capillus veneris、箱根草)。イノンド　 (enondo 、Anethum graveolens, セリ科)。ハプテコプラ　 (pão de cobra 、Potalia resinifera)。アメンダウス　 (amendoa 、アーモンド)。ヤシホ　 (cocos nucifera 、ココヤシ、ココスヤシ)。コキンヤウ　 (coquinho、海椰子)。ビリリ　 (｢紅夷国ヨリ来[ル]魚ノ胆ナリ｣ 『大和本草』） 。テルメンテイコ　 (terementina、テレビン油）。
１６８２～８３ 医学の修士号を持つアンドレアス・クライヤー（Andreas Cleyer, * Kassel, １６９７年１２月２０日と１６９８年３月２６日の間にバタヴィアで没す），８２年１０月２０日から８３年１１月８日まで館長として初めて出島に滞在する。
１６８２ SPECIMEN MEDICINAE SINICAE, sive OPUSCULA MEDICA ad Mentem SINENSIUM, Continens I. De Pulsibus Libros quatuor * Sinico translatos. II. Tractatus de Pulsibus ab erudito Europæo collectos. III. Fragmentum Operis Medici ibidem ab erudito Europaeo conscripti. IV. Excerpta Literis eruditi Europæi in China. V. Schemata ad meliorem præcedentium Intelligentiam. VI. De Indiciis morborum ex Linguæ coloribus & affectionibus. Cum Figuris æneis & ligneis: Edidit ANDREAS CLEYER Hasso-Casselaum, [...] FRANCOFVRTI. Sumptibus JOANNIS PETRI ZUBRODT. ANNO M. DC. LXXXII.
イエズス会の中国宣教師Michael Boymらが訳した 『中国医学標本』。
１６８５～８６ アンドレアス・クライヤー２度目の長崎滞在。８５年１０月１７日から１６８６年１１月５日まで。ゲオルク・マイスター（Georg Meister, １６５３年生，１７１３年ドレスデン没）、１６７７年から１６８７年１２月１０日までＶＯＣに奉職。庭師として特にクライヤーを伴って来日した。
１６８５？ ウルム出身の床屋で外科医のクリストフ・フリク（Christoph Frik, ＊1659），その悪行のため故郷を追われ，VOCの雇われ人として出島に来る。推定滞在期間、約５週間。彼のさまざまな船に関する記録は，歴史的事実とはあまり合致していない。Christoff Friken Ost=Indianische Raysen und Krieges=Dienste [...] Ulm gedruckt bey Mattheo Wagner 1692.
１６８５ C. Bontekoe: Tractaat van het Excellenste Kruyd Thee. 's-Gravenhage 1685.
１６８６ カッセル出身の大学教授ヴァレンティーニ、商館長クライヤーの情報をもとに、ドイツへのもぐさ伝搬史を書く：Mich. Bern. Valentini Medici Germani Historia Moxae Cum Adjunctis in fine Meditationibus De Podagra Ad Eminentissimum Virum DN. Andream Cleyerum M.D. Indiae Orientalis Proto-Medicum, [...] Lugduni Batavorum, Prostat apud Petrum van der Aa MDCLXXXVI.
Joh. Sigmund Wurffbains Vierzehen Jaehrige Ost=indianische Krieg= und Ober=Kauffmanns=Dienste [...] Sultzbach/ In Verlegung Johann Georg Endters in Nuernberg. [...] ANNO M.DC.LXXXVI.　幸いなことに著者自身は日本へ行ったことがなく，その詳細な記述はバタヴィアでの見聞に拠ることが強調されている。
１６９１ R. P. J. Crasset: Histoire De L'Eglise Du Japon. Tome Premier. Seconde Edition. A Paris, Chez Estienne Michallet [...] M.DC.XCI.
１６９０～９２ エンゲルベルト・ケンペル（Engelbert Kaempfer ＊16.9.1651,†2.11.1716）長崎に滞在。江戸参府に２度の同行。部屋小遣い今村源右衛門英生、通詞楢林鎮山などの協力を得て標本、書籍、器物を収集。
１６９２ ドレスデン宮廷の「東洋植物園芸師」となってからマイスターは1692年に自費出版で東インドの植物を描写した著作を発表。中には多くの日本の植物絵が含まれている：Der Orientalisch=Indianische Kunst= und Lust=Gaertner [...] entworffen und fuergestellet durch George Meistern Dieser Zeit Churfl. Saechs. bestallten Indianischen Kunst= und Lust=Gaertner. [...] Dresden In Verlegung des Autoris, druckts Johann Riedel Anno 1692.
Blankaart, Stephen: Accurate Abhandlung von dem Podagra und der Lauffenden Gicht / [...] nebst des Herrn Wilhelm ten Rhyne, Med. Doct. und Pract. auf Batavien in Ost=Indien / Curieuser Beschreibung / Wie die Chinesen und Japaner vermittelst des Moxa-Brennens und guldenen Nadel=Stechens alle Kranckheiten / insonderheit aber das Podagra gewiss curiren. Aus der Niederteutschen in die Hochteutsche Sprache uebersetzet. Verlegts Joh. Fried. Gleditsch. 1692.
Frikens, Christoff Ost=Indianische Reysen und Krieges=Dienste / [...] Ulm / gedruckt bey Matthaeo Wagnern / 1692. Naberは，Oleariusによると思われる補足のため，その（残念ながら中断してしまった）文中にアンデルセンを取り入れることはせず，フリクの書をより信頼していた。日本に関する章を比較するとむしろ逆ではなかったのかと思われるふしがある。
１６９３ ザクセン，ハレ出身のクリスチアン・ブルクハルト（Christian Burckhardt, 出生及び死亡月日不詳）、ハレとライプチヒで次の書を公刊する：Ost=Indianische Reise=Beschreibung oder Kurtzgefaster Abriss von Ost=Indien und dessen angraentzenden Provincien, [...] Aus eigener Erfahrung zusammen getragen und auff Begehren guter Freunde zum Druck befoerdert von Christian Burckhardten Aus Halle in Sachsen. Halle und Leipzig In Verlegung Johann Friedrich Zeitlers. An. 1693. （日本の部分が掲載されているのはSchulz p.78-80）。
１６９４ エンゲルベルト・ケンペルの論文、ライデンで印刷される：Disputatio Medica Inauguralis Exhibens Decadem Observationum Exoticarum, quam [...] pro gradu doctoratus [...] publico examini subjicit Engelbert Kempfer, L. L. Westph. ad diem 22. Aprilis [...] Lugduni Batavorum, apud Abrahanum Elzevier, Academiae Typographum. MDCXCIV.
Pieter van Dam: Beschrijvingh van de Constitutie, Regeeringh en Handel van de Compagnie. 1701.
１６９６ ロシアの探検隊、カムチャッカに漂着した日本人と出会い，言葉を教える。
１６９９ 江戸で「コロリ」が流行。
１７００ 幕府、オランダ船の入港を4～5隻に制限。
１７０１ Dam, Pieter van: Beschrijvingh van de Constitutie, Regeeringh en Handel van de Compagnie. 1701.
１７０４ ヨハン・ヴィルヘルム・フォーゲル、旅行記を著す：Johann Wilhelm Vogels Gewesenen Fahndrichs und Bergmeisters im Dienst der E. Niederl. Ost=Indischen Compagnie, anietzo aber F.S. Cammerschreibers und Berg=Inspectoris zu Altenburg Zehen=Jaehrige Ost=Indianische Riese=beschreibung [...] Altenburg, Johann Ludwig Richter 1704.
１７０５ 伊人宣教師シドッチ（Sidotti）来日、逮捕される。通訳は今村源右衛門英生が担当。
シレジア人クリストフ・Langhanns（Christoph Langhanns）、自作の旅行記を発表する：Neue Ost Indische Reise [...] Leipzig, Michael Rohrlach seel, Wittib und Erben in Liegnitz. 1705 （日本の部分はシュルツに掲載，pp.54～56）
１７１２ 新井白石は商館長ラルディン、商館医ワーヘマンスに各国の国情を問う。
ケンペルの『廻国奇観』刊行（Engelbert Kaempfer: Amoenitatum exoticarum。 Typis & Imprensis Henrici Wilhelmi Meyeri, Aulae Lippicacae Typographi, 1712）。
１７１６ 享保の改革
１７１７ 徳川吉宗、オランダ人にヨンストンの「動物図説」について質問する。
１７２０ キリスト教以外の禁書の輸入緩和。
吉宗、オランダ人に燧石銃を試射させる。
１７２７ ケンペルの『日本誌』刊行（Engelbert Kaempfer: The History of Japan. London 1727.）
１７３６ Pierre-François-Xavier de Charlevoix: Histoire et Description Generale du Japon. Paris.
１７３６ 書物奉行、オランダ人に天文暦法を質問
１７３８ 幕府、オランダ商館長に天文書を献上させる。
de Sante Ines Oyanguren: Arte de la Langua Japonica. この書は長く知られていなかったが，Ａ・フンボルトがメキシコで発見し，Ｗ・フンボルトによって初めて評価を得た。
１７４０ 青木昆陽，野呂元丈，吉宗の内命によりオランダ語の学習を始める
１７５２ 平賀源内、オランダ人に蘭語と技術を学ぶ。
１７５４～５６ サンスーシーに和風の家が建てられる（「猿の家」）。
１７５４ Pierre de Charlevoix: Histoire et Description Generale du Japon. Paris
１７６３～６９ ベルリンの新宮殿に「日本サロン」設立される。
１７７１ Moritz August Aladaar Graf von Benyovszky (Pol.)、探検旅行中、奄美大島に漂着。長崎のオランダ使節を通して幕府に何度も書状を送り，ロシアの南下を警告する。５通がドイツ語で書かれ，オランダ語から日本語に訳されたようである。
１７７２ プロシア人ペーター・ジーモン・パラス（１７４１～１８１１），ロシア科学アカデミーの会員としてイルクーツクに旅行し、日本人難船者かその子孫に出会う。それらの人々から若干日本語を学ぶ。これらの語彙はLinguarum Totius Orbis Vocabularia Comparativaに見られる（1787/89; 1790/91年に増補）。
Christoph Martin Wieland (1733-1833): Der goldene Spiegel oder: Die Koenige von Scheschian, eine wahre Geschichte.
１７７４ Matthias Claudius: Saemtliche Werke des Wandsbecker Boten. (1774-1812).
Bd. 1 (1774): Wandsbeck. Eine Art Romanzero von Asmus, pro tempore.
Bd. 1 (1774): Bote daselbst. Mit einer Zuschrift an den Kaiser von Japan.
Bd. 3 (1777): Nachricht von meiner Audienz beim Kaiser von Japan.
Von den Jammabos oder Bergpriestern in Japan.
Bd. 7 (1789): Schreiben des Kaisers von Japan an einen gewissen...
１７７４ 前野良沢，杉田玄白ら『解体新書』刊行
１７７５ スウェーデン人医師で植物学者のカール・ペーター・トゥンベリー、（Carl Peter Thunberg, 1743-1822）が蘭館医として来日（～1７76）
１７７８ ロシア人蝦夷地に来航、通商を求める.
１７７９ イサアク・ティツィング(Isaac Thitsingh)、長崎に来て１７８４年まで滞在。３度の江戸参府に同行する。
クリスツィアン・ヴィルヘルム・ドーム、ケンペルの 『日本誌』と日本に関する記述をドイツ語で刊行する.
１７８１ Verhandelingen van het Bataviaasch Genotschap van Kunsten en Wetenschap. 3. Band: Eenige Japansche Woorden.（これは最初の蘭和小辞典で、約６００語の日本語が載っている。）
１７８２ アンドレ・タタリノフ（Andre Tatarinov）、露和辞典を著す。
１７８６ 大槻玄沢，蘭学塾芝蘭堂を開く（蘭学塾の始め）。
１７８７ 松平定信、老中となる：寛政の改革。
「紅毛雑話」の刊行
１７８８ 大槻玄沢『蘭学階梯』刊行
１７９０ 寛政異学の禁止。朱子学は官学となる。
１７９１ 幕府、異国船取扱令を布告。林子平「海国兵談」刊。
１７９２ ロシア使節ラクスマン，根室に来航。 大黒屋光太夫を護送する。
K. Sprengel (ed.): Carl P. Thunbergs Reisen in Afrika und Asien, vorzueglich in Japan waehrend der Jahre 1772 bis 1779. Dillingen 1792. （第３章には約９００語の日本語が収められている）
１７９２／９４ Christian Heinrich Groskurt: Reise durch einen Theil von Europa, Afrika und Asien, hauptsaechlich in Japan in den Jahren 1770 bis 1779. Berlin 1792-94, 2 Bäaende.（日本語語彙集は第２巻第１章２１４～２４２ページに掲載）。
１７９４ アンブロジウス・ルートヴィヒ・ベルンハルト・ケラー、医師として長崎に来航、予防接種を伝えたと言われる。ケラーは、医学について系統的な問いが為された、と報告している。
１７９５ 杉田玄白「和蘭医事問答」刊
１７９６ 稲村三伯らの蘭日辞典『波留麻和解』が成稿（収録語数6万4035語）。その後、1798～1799年（寛政10・11年）かにかけて刊行された。
１７９８ 出島の医師ヘルマヌス・レツケ（Hermanus Letzke）、江戸への旅に同行。西洋の医学について尋ねられる。
Immanuel Kant: Anthropologie in pragmatischer Hinsicht abgefasst. この書中で、日本の子供たちのことが例に挙げられている。
１７９９ オランダ東インド会社解散，国営となる
１８０１ 志筑忠雄，ケンペルの『鎖国論』訳
１８０３ 蘭人ドゥフ(Doeff)、出島商館長に就任。
米船長崎来航、貿易を求める。
１８０４ ロシア使節レザノフ、艦長クルーゼンシュテルン他、長崎来航、交易を求める。
フォン・ラングスドルフ（G.H. von Langsdorff, 1771-1852）、Kruzensternの世界周航に同行。１８０４年長崎着。I.F. Kruzenstern: Reise um die Welt in den Jahren 1803, 1804, 1805 und 1806-1813.
１８０５ 幕府、ロシア船来航のため、諸大名に警衛を命ず。
ハインリヒ・ユーリウス・クラプロート（Heinrich Julius Klaproth, *1783-1835）、イルクーツク探検中、日本人に遭遇する。(1825 Nouveau Journal Asiatique, Bd.3)。
公使館付きの医師レーマン教授(J. Rehmann)、中国に赴任するロシアのゴロフキン侯爵の公使と共に外遊。この旅で水彩画６５点と、中国やモンゴルの医学に関する著作を手にいれる。
１８０６ レザノフ、シベリア経由で帰国の途上、日本人に出会う。
ロシア船による樺太侵攻。
１８０７ 幕府、オロシヤ船打払令を出す。
１８０８ 間宮林蔵、樺太探検。
イギリス船フェートン号，長崎湾侵入（フェートン号事件）
オランダ通詞、商館長ドゥフにつき仏語学習を命じられる（フランス語学習の始め）。
１８０９ ヤン・コック・ブロムホフ（Jan Cock Blomhoff）が商館長として来日、長崎にて蘭通詞に英語学習指導（英語学習の始め）。
１８１１ 幕府，蛮書和解御用設置。
ドゥフ「ハルマ辞書」第１稿成る。
１８１４ J. W. von Goethe: Vorsehung zur Einführung der deutschen Sprache in Polen. 1813/14.
１８１５ 杉田玄白『蘭学事始』成る。
１８１６ 英船琉球に来航、通商を求める。幕府、通詞吉雄権之助らに蘭日対訳辞典の編纂を命ずる。
１８１８ 英人ゴルドン、浦賀来航、通商を求める。
１８１９ Friedrich Ritz: Entdeckungsreise nach der Westkueste von Korea und der grossen Lutsch-Insel von dem Capitaen Hall. Weimar 1819.
１８２２ ヴィルヘルム・グリム、童話集に日本の童話も取り入れる。（ Kaempfer I, p. 147参照）。
１８２３ ドイツ人医師・博物学者シーボルト（Philipp Franz von Siebold）が商館医として来日（～１８２９年）。
中国研究の父、H.J.クラプロート著『Asia Polyglotta』刊。第１６章には日本語４２語と琉球の言葉２２０語を含むリストが見られる。
１８２４ シーボルト、長崎郊外に鳴滝塾を設立。
１８２５ 幕府，異国船打払令を発令
１８２６ W.・フォン・フンボルト、メキシコでOyangurenの日本文法書を発見。
１８２８ シーボルト，禁制品の持ち出し発覚（シーボルト事件）
１８２９ シーボルト、国外追放となる
１８３０ Johann Joseph Hoffmann (1805-78): Chronologie des Japanischen Reiches. (1937年東京郁文堂により出版) Medelingen mit het Gebied der Chinesche en Japanse Taalen Letterkunde door Dr. J.J. Hoffman... Wien 1845.
１８３２ シーボルト『日本』刊行開始
１８３３ ドゥフ「ハルマ辞書」完成
１８３６ 水戸藩、砲台築造と大砲鋳造を命ず、松代藩大砲７０門を鋳造。
１８３７ アメリカ船モリソン号，鹿児島に来航、撃退される。（モリソン号事件）。
Friedrich August Guetzlaff (1803-51) - Walter Henry Medhurst
１８３８ 緒方洪庵，大阪に適々斎塾（適塾）を開設
１８３９ 蛮社の獄
１８４０ アヘン戦争（～１８４２）。
幕府、蘭訳書の取締令を公布。幕府代官に房総海岸防備を命ず。
１８４１ 天保の改革。天文方にオランダ系政書・兵書の翻訳を命ず（洋学の軍事化はじまる）
１８４２ 幕府，洋書翻訳の出版を奉行所の許可制とする。
幕府，異国船打払令を解除し，薪水給与令を発令。天保暦に改正（西洋暦法の始め）。
オランダ出身のハインリッヒ・ビュルガー（Dr. Heinrich Buerger）（１８２４年以来シーボルトの助手）、パリでハインリヒ・ハイネに会う。 ('Deutschland: Gestaendnisse im Winter'参照).
１８４４ 仏船が琉球に来航し、通商を求める。蘭艦長長崎来航、使節コープスは開国勧告の国書を提出
１８４５ 翻訳書の出版を天文方の許可制にする。英米船来航。
Katha Sarit Sagara: Die Maerchensammlung von Somadera.
１８４６ 英・米・仏各国軍艦、次々に来航。
アメリカ軍艦コロンブス号，浦賀に来航。

フランス軍艦クレオパートル号，長崎に来航
１８４７ Dr. August Pfitzmeyer (1808-87): Sechs Wandschirme in Gestalt der vergänglichen Welt. Wien.
１８４７ 米人マクドナルド、日本に密航、長崎にて蘭通詞に英語を教授
１８４９ August Pfitzmeyer: Beitrag zur Kenntnis der ältesten japanischen Poesie.
１８５１ 浦賀奉行、西洋式砲台築造。ジョン万次郎、アメリカ船で帰還。
August Pfitzmeyer: Woerterbuch der Japanischen Sprache.
August Pfitzmeyer: Der Almanach der kleinbambusfarbigen Schalen. Ein Beitrag zur Kenntnis der Mundart von Yedo.
１８５２ 蘭館長クルチウス（Curtius）、幕府に来年アメリカ使節が開国要求すると予告。
１８５３ 米艦隊司令長官ペリー、使節として軍艦四隻と共に浦賀に来航。
ロシア使節プチャーチン、長崎来航。
幕府、大船建造禁止令撤廃、オランダへ軍艦、砲、兵書を発注する。アメリカから帰国した漂民中浜万次郎を登用。
１８５４ 米使節ペリー、神奈川沖に再来、日米和親条約調印。日英和親条約、日ロ和親条約がこれに続く。
１８５５ 日露和親条約。
海軍伝習所開設。日蘭和親条約調印
１８５６ 日蘭和親条約。アメリカ総領事ハリス着任。
蘭医ポンペ来日、オランダ製咸臨丸を引き渡し。
１８５６ 日米修好通商条約調印、続いて、蘭、ロ、英国さらにフランス等と同条約を結ぶ。
幕府、西洋医学の採用を認める。長崎に英語伝習所を設立。
福沢諭吉、蘭学塾を開設。
長崎のオランダ商館の廃止。
コレラ大流行
１８５９ シーボルト再来日（～１８６２年）。海軍伝習所廃止。
英総領事、オールコック着任。
神奈川、長崎、箱根開港、英・米・仏・ロ諸国と貿易開始。
１８６０ 軍艦奉行木村喜毅、咸臨丸でアメリカ出帆。遣米使、外国奉行新見正興米艦ボーハタン号で出帆。
ポルトガル、プロシアと通商条約を結ぶ。
米通訳ヒュースケン浪士に襲われる。
１８６１ ロシア対馬侵攻が失敗。
遣欧使節竹内保徳らが出港。
１８６２ ボンペ帰国、ボードウィン来日。
幕府雇のパンベリー鉱山学校を開設。
最初の幕府オランダ留学生出発。
１８６３ 長州藩、下関にて米・仏・蘭艦等を砲撃。
薩英戦争が勃発。
長州藩の留学生が英国へ出発
１８６４ 米・英・仏、下関攻撃。禁門の変により、長州征伐が開始。
薩摩藩、英、米に留学生を派遣。
１８６５ 薩摩藩、二次留学生を英国へ派遣。
幕府遣仏使節柴田剛中が出港。
１８６６ 倒幕を企図する薩長同盟が成立。
幕府、海外渡航、自由交易を許可。
イタリア、デンマークと修好通商条約調印。
幕府遣ロ使節、小出秀実らが出発。
ボードウィンの後任マンスフェルトが来日。
１８６７ 王政復古宣言。
幕府遣仏使節徳川昭武一行が出発。
１８６８ 戌辰戦争が勃発。
五カ条の御誓文発布。
江戸城開城

 

TOPTOP
inserted by FC2 system