天正遣欧使節 (1582-1590)

 目的

ローマ教皇とスペイン・ポルトガル両王に日本宣教の経済的、精神的援助を依頼すること。

少年達にヨーロッパを見聞・体験させ、帰国後にその栄光、偉大さを自ら語らせること。

（巡察師ヴァリニャーノの書簡により）

 使節団の構成

伊東マンショ（正使）　大友宗麟の名代。宗麟の血縁。日向国主伊東義祐の孫。

千々石ミゲル（正使）　大村純忠（スミタダ）の名代。純忠の甥。

中浦ジュリアン（副使）　小佐々氏

原マルティノ（副使）

ジョルジェ・ロヨラ修道士（使節の教育係、日本人）

コンスタンチノ・ドゥラード　（印刷技術習得要員、日本人）

アゴスチーノ　　（同上）

アレッサンドロ・ヴァリニャーノ神父　（ゴアまで）

ヌーノ・ロドリゲス神父　

ディオゴ・メスキータ神父

ロレンソ・メシア神父

オリヴィエーロ修道士

 年譜

1568（永禄11） 中浦ジュリアンは肥前国中浦（西浦町）の城主小佐々甚五郎純吉（中浦殿）の子として生まれる

1569（永禄12） 中浦ジュリアンの父甚五郎は暮の峠（佐世保市）の合戦で討死

1580（天正8） 中浦ジュリアンは有馬のセミナリョに入学

1582.2.20（天正10） 少年使節長崎港を出帆３月９日マカオに着く

1584.8.1（天正12） リスポンに上陸各地で大歓迎を受ける

1584.11.14 スペイン国王フイリツブ２世に謁見

1585.3.23（天正13） ローマ法王グレゴリオ13世に謁見

1585.5.1 シクスト５世の載冠式に参列

1585.5.29 ローマ議会で市民権を腸わる

1585.6.28 ヴェネチア大統領に謁見

1586.4.8（天正14） 少年使節リスボン港を出帆

1590.6.23（天正18） マカオを出帆7月21日長崎に帰港

1591.3.3（天正19） 聚楽第（ジュウラクテイ）において豊臣秀吉に謁見

1591.7.25 中浦ジュリアンは日天草河内浦においてイエズス会に入会

1600（慶長5） 関ヶ原合戦で中浦ジュリアンは八代の協会から川内に移る

1601（慶長6） 中浦ジュリアンと伊東マンショはマカオに留学

1607（慶長12） 長崎で助祭となる

1608（慶長13） 京都・博多で布教

1608.9 中浦ジュリアン、伊東マンショ、原マルチノは司祭に叙階

1612（慶長17 伊東マンショは長崎で死去。

1614（慶長19） 原マルチノらマカオに追放

1614.11.17（慶長19） 中浦ジュリアン国内に潜伏

1615（元和元） 中浦ジュリアンはこの年から口之津を拠点に九州各地を布教

1629（寛永6） 原マルティノはマカオで死去。

1632（寛永9） 小倉で摘えられ長崎に送られる

1633.10.21（寛永10） 中浦ジュリアンは西坂において穴吊リの刑で殉教

2005 千々石ミゲルの墓石は長崎県諫早市（旧多良見町）で発見

 参考文献

Luís Fróis: Tratado dos embaixadores Japões. Grupo de Trabalho do Ministério da Educação para as Comemorações dos Descobrimentos Portugueses, - [Lisboa], 1993. 63 pp.

松田毅一『天正遣欧使節』東京 : 講談社, 1999 (講談社学術文庫　1362)　[天正遣欧使節関係年表: p.410-425 ; 天正遣欧使節関係文献目録: p.426-433]